売上はあるのにお金が残らない理由

会計ばあの寺子屋会計

売上はあるのに、なぜかお金が残らない。
その理由を会計ばあがやさしく解きほぐす

〜「儲かっているはずなのに苦しい」の正体〜

「先月はちゃんと売上が上がったんです」
「なのに、通帳を見ると全然余裕がないんです」

こういう相談はのう、ほんに多いのじゃ。
商いをしておる人ほど、売上と手元のお金を、つい同じものだと思ってしまう
じゃが実は、この二つは似ておるようで、まるで別物なんじゃよ。

会計ばあは、会計の話をするとき、まず「数字は人を脅すものではなく、暮らしを守る道具じゃ」と伝えたい。
難しい専門用語をいきなり並べるよりも、「なぜその苦しさが起きているのか」を知ることのほうが大事じゃからな。

今日は、公認会計士の考え方も少し交えながら、なぜ売上があるのにお金が残らないのかを、なるべくやさしく、でも本質を外さずに見ていくぞい。

まず大前提。「売上」と「現金」は同じではない

ここが最初の肝じゃ。
売上というのは、「商売としていくら成果が出たか」を示す数字。
いっぽう現金は、「今、実際に使えるお金がいくらあるか」という話じゃ。

たとえば10万円の仕事を受けて請求書を出したとする。
会計上は、その時点で売上として計上されることがある。
じゃが、入金が来るのは翌月末、あるいは翌々月ということも珍しくない。

会計ばあの要点整理

売上は「稼いだ記録」、現金は「持っている余力」。
この二つが同じタイミングで動くとは限らんのじゃ。

つまり、「売上が立った」ことと、「お金が入った」ことは別。
ここを混ぜて考えると、商売の景色はすぐ曇ってしまう。

お金が残らない主な理由は、だいたいこの四つじゃ

  1. 入金より先に支払いが来る
  2. 利益よりも固定費が重い
  3. 税金や社会保険を後回しに見ている
  4. 「なんとなく使うお金」が積もっている

この中でも特に多いのが、入金より先に支払いが来る形じゃな。
仕入れ、外注費、家賃、広告費、通信費。
商売というのは、実によう働き者でのう、売上が入る前から支出だけはしっかり始まる。

さらに、月々の固定費が重いと、売上が少し増えたくらいでは楽にならん。
「売れたのに苦しい」のではなく、土台の支出が重すぎて、稼ぎの実感が残らないこともようあるんじゃ。

会計ばあがまず見る三つの数字

商売を見るときの基本三点

① 売上
② 利益
③ 預金残高

まず売上を見る。これは商いの勢いじゃ。
次に利益を見る。どれだけ効率よく残せておるかを見るためじゃ。
そして最後に、預金残高を見る。これが、いま現実に息ができるかどうかの数字じゃ。

公認会計士の現場でも、会社をちゃんと見るときは、売上だけで判断などせん。
利益の質、資金の流れ、将来の支払い余力まで見ていく。
小さな商いでも、それは同じことなんじゃよ。

難しそうに聞こえるかもしれんが、最初は完璧でなくてええ。
毎月この三つを並べて、「今月は売上の割に現金が減っておるな」「固定費が重たいな」と気づけるだけでも、十分な前進じゃ。

では、どうすればお金は残りやすくなるのか

  • 入金サイトを把握する
  • 固定費を一度棚卸しする
  • 税金分を最初から別に置く
  • 毎月の預金残高を必ず見る

特におすすめなのは、「税金分は自分のお金と思わない」ことじゃ。
売上が入ると、気持ちが少し大きくなる。
じゃが、その中にはあとで納める税金や保険料も含まれておることが多い。
ここを見誤ると、後からどっと苦しくなる。

今日のまとめ
売上があるのにお金が残らないのは、あなたがだらしないからではない。
多くは、売上・利益・現金を別々に見ていないことから起こるんじゃ。
数字を責めるためではなく、守るために見る。そこが会計の出発点じゃよ。

商売は、勢いだけでは長続きせん。
じゃが、数字を少しずつ味方につければ、焦りはだんだん減っていく。
売上に一喜一憂するだけでなく、「残る形」を育てること。
それが、商いを穏やかに続ける知恵なんじゃ。