会計士試験を勉強してる孫へ。
財務会計論のアドバイスシリーズ①
「まず“全体の地図”を頭に入れなさい」
〜細かい論点に迷う前に、まずは財務会計論の骨組みを見るのじゃ〜
孫よ、財務会計論の勉強を始めると、最初はどうしても論点の多さに圧倒されるものじゃ。
収益認識、資産除去債務、税効果、連結、金融商品……。
どこを見ても知らん言葉ばかりで、「こんなの本番までに全部間に合うのかのう」と不安になるじゃろう。
じゃがのう、最初から全部を完璧にしようとすると、かえって沈む。
財務会計論でまず大事なのは、細かい枝葉ではなく、全体の地図を頭に入れることなんじゃよ。
これは試験勉強だけの話ではない。公認会計士の世界でも、まず全体像を掴める人は強い。
個別論点を暗記する前に、「この論点は財務諸表のどこに効いてくるのか」「結局、何を正しく表示したいのか」を掴んでおくと、
記憶は点ではなく線になって、ずいぶん忘れにくくなるんじゃ。
財務会計論は「財務諸表をどう作るか」の学問じゃ
まず、財務会計論を一言でいえば、外に出す数字をどう整えて、どう見せるかの学問じゃ。
つまり、会社の成績表である損益計算書と、会社の財産状態を示す貸借対照表を、どうルールに沿って作るかを学ぶ科目なんじゃな。
ここで孫に覚えてほしいのは、論点ごとにバラバラに見るのではなく、いつでも
「この話はBSの話か、PLの話か、あるいは両方か」
と考える癖をつけることじゃ。
会計ばあの見方
・BS=何を持っていて、何を負っているか
・PL=その期にどれだけ儲かったか
・注記=数字だけでは伝わらない事情を補うもの
この三つを軸に見るだけで、論点の迷子になりにくくなるぞい。
最初のうちは「仕訳」より「流れ」を優先しなさい
勉強を始めたばかりの頃は、どうしても仕訳を一問ずつ追いかけがちじゃ。
もちろん仕訳は大事じゃよ。じゃが、仕訳だけを丸暗記しようとすると、少しひねられた問題で崩れてしまう。
たとえば収益認識でも、「いつ売上にするか」という問いの裏には、
「まだサービスが終わっていないのに利益を先食いしてはいかん」という考えがある。
引当金でも、「将来の支出が見込まれるなら、今のうちに負担を反映すべき」という考えが流れておる。
つまり、仕訳の後ろには必ず理由があるのじゃ。
じゃから最初は、
- 何を正しく表したい論点なのか
- BSとPLのどこが動くのか
- なぜその処理が必要なのか
この三つを先に押さえるんじゃ。
すると仕訳は「ただの記号」ではなく、「数字を正しく動かすための言葉」に見えてくる。
模試や問題集で点が伸びないときほど、基本に戻るのじゃ
財務会計論は、勉強してもすぐには点に出にくい時期がある。
覚えたはずの論点が抜け、理論と計算がごちゃつき、「自分は向いてないのでは」と感じる日もあるじゃろう。
でものう、それは珍しいことではない。
点が伸びない時の見直し順
① 基本論点の理解が曖昧でないか
② 仕訳の意味を説明できるか
③ その論点がBS・PLのどこに影響するか言えるか
難問を追いかける前に、ここへ戻る。
それだけで、ぐらついた土台が少しずつ締まってくるんじゃよ。
会計ばあからの今日のひとこと
財務会計論は、論点の数に飲まれると苦しくなる。
じゃが、全体の地図を持っている人は、迷っても戻る場所がある。
まずは「この科目は財務諸表をどう作る学問か」を頭に入れなさい。
そこから先の知識は、ちゃんと積み上がっていくものじゃ。
孫よ、焦るでない。最初から全部わかる者などおらん。
大事なのは、分からない論点に出会ったときに、「これは何を表すためのルールか」と一歩引いて見られることじゃ。
その視点が育てば、財務会計論は暗記地獄ではなく、筋の通った科目に変わっていく。
次はまた、もう少し実戦寄りの話をしていこうかのう。