管理会計論は、全部を同じ力で解かなくてええ
会計士試験を目指す孫へ、会計ばあの助言その二
〜歯車のように、力をかける場所を見極めるのじゃよ〜
孫よ、管理会計論を勉強しておると、つい思ってしまうじゃろう。
「どの問題も完璧に解けるようにならねば」と。
じゃがのう、試験というものは、いつだって時間との勝負じゃ。
そして管理会計論は、とりわけ“力の配分”が点数を左右する科目なんじゃよ。
管理会計論は、解法を知っておれば比較的素直に取れる問題もあれば、深追いすると時間ばかり奪われる問題もある。
ここを見誤ると、できる問題まで落としてしまう。
つまりこの科目では、「全部頑張る」ことよりも、「どこで確実に拾い、どこで踏みとどまるか」を見極めることが大切なんじゃ。
歯車も同じでのう。すべてが同じ速さ、同じ重さで回るわけではない。
大きな歯車、小さな歯車、力を伝える歯車。
どこが主で、どこが補助かを分けて考えるから、全体がなめらかに動くんじゃよ。
まず知っておいてほしい、「取る問題」と「守る問題」
管理会計論では、大きく分けるとこんな二種類の問題がある。
⚙ 会計ばあの分け方
- 取る問題 … 典型論点で、落とすと痛い問題
- 守る問題 … 難しすぎる問題で、深追いせず傷を浅くする問題
たとえばCVP分析、差額原価収益分析、標準原価計算の基本などは、何度も繰り返し出やすい軸の論点じゃ。
こういうところは、問題を見た瞬間に「この歯車じゃな」と噛み合うようにしておきたい。
逆に、条件が多くて整理に時間がかかる問題や、論点をひねってある問題は、満点を狙うより「取れるところまで確実に取る」という姿勢が大事になる。
試験本番で怖いのは、難問そのものではない。
難問に時間を吸われて、標準問題を落とすことなんじゃ。
点が安定する受験生は、「最初の見極め」が上手い
問題を解く前に、まず全体を見る。
これは当たり前のようで、実はなかなかできんことじゃ。
受験生は目の前の数字に引っ張られやすいからのう。
じゃが、本番で安定して点を取る者ほど、最初にこう考えておる。
試験中に自分へ問うこと
① この問題は典型か、変化球か
② 何分まで使ってよいか
③ 途中点を拾える構造か
④ 最後まで解く価値があるか
この見極めができるだけで、管理会計論の得点はだいぶ変わる。
すべての問題を同じ熱量で抱え込むと、頭も時間もすぐいっぱいになる。
じゃから、最初に問題の重さを量るんじゃよ。
これは決して手を抜くという話ではない。
むしろ逆で、点を取るために本当に必要な集中の使い方を身につけるということじゃ。
管理会計論でやってはいけない頑張り方
- 最初の1問で詰まり、意地になって時間を使う
- 見直しもせず、ひたすら最後まで埋めようとする
- 途中で違和感があっても、計算を止められない
- 「ここまでやったのだから」と引き返せない
この「引き返せない」というのが、ほんに曲者じゃ。
人は時間をかけたものを捨てにくい。
じゃが試験では、それが命取りになることもある。
会計ばあの助言
問題に執着するな、点数に執着せい。
ひとつの問題をやり切ることより、全体で何点取るかのほうが、ずっと大事なんじゃよ。
とくに管理会計論では、「途中まで整理できれば点が来る」問題も多い。
ならば、途中点を拾って次に進む勇気もまた、実力のうちなんじゃ。
孫にすすめたい練習法
普段の演習から、「全部解く」だけではなく、「時間を切って見極める練習」をしておきなさい。
たとえば20分経っても方針が立たん問題は、一度印をつけて後回しにする。
そして、あとで模範解答を見たときには、「なぜこの問題を重く感じたのか」を分析するんじゃ。
管理会計論の成績が伸びる者は、単に計算が速い者ではない。
自分の迷い方を知っておる者なんじゃよ。
どこで手が止まるか、どこで焦るか、どこで見切るべきか。
そこまで含めて、自分の試験を管理するんじゃ。
今日のまとめ ⚙
管理会計論は、すべてを同じ力で解く科目ではない。
問題の重さを見極め、取るべき問題で確実に点を拾い、守るべき問題で崩れないこと。
それが、本番で歯車を噛み合わせるように得点を積むコツなんじゃよ。
孫よ、真面目な者ほど、全部に全力を出したくなる。
その心は立派じゃ。
じゃが試験では、ときに“引く力”も要る。
管理会計論とは、会社の管理だけでなく、自分の時間と集中を管理する練習でもあるんじゃ。
焦らず、一問ずつ、歯車を正しく噛ませていくのじゃよ。