会計士試験を勉強してる孫へ
管理会計論は「全部を解こう」とするな
シリーズ4 解く順番で点は変わる
速さではなく、歯車のかみ合わせを整えるのじゃ
孫よ、管理会計論の問題を前にすると、つい「全部きれいに解かねば」と思ってしまうかもしれんのう。
じゃが試験というものは、落ち着いて考えれば、毎回こちらに十分な時間をくれるわけではない。
そこで大事になるのが、何から解くか、どこで踏みとどまるか、どこを捨てるかという順番の感覚なんじゃよ。
管理会計論は、理解が深い者ほど点が安定しやすい科目じゃ。じゃが、それと同じくらい大切なのが、試験本番での「さばき方」じゃ。
原価計算、CVP分析、差異分析、業績評価、設備投資意思決定。論点はそれぞれ違う顔をしておるが、試験会場ではそれらが一度に押し寄せてくる。
そんなとき、全部を真正面から受け止めようとすると、かえって歯車が空回りする。管理会計論は、力ずくで押し切る科目ではない。
解けるところから取り、時間のかかる論点には深入りしすぎない。この感覚を持っておるかどうかで、同じ実力でも点は変わるんじゃ。
まず最初の三分で、問題全体の歯車を見る
問題冊子を開いたら、いきなり計算を始めてはならんよ。最初の三分は、全体を見る時間じゃ。
どの設問が基本で、どの設問が重いのか。資料は多いか、誘導は親切か。計算中心か、理論混じりか。これをざっと眺めるんじゃ。
会計ばあの確認ポイント
- 一問目は取りやすいか
- 途中で表を埋めれば流れるタイプか
- 一つの計算ミスが後半に響く構造か
- 後回しにしたほうがよい設問はどれか
これを最初に見ておくだけで、気持ちがずいぶん違う。試験で苦しくなる受験生の多くは、問題に飲まれてしまうんじゃな。
じゃが本来は逆で、おぬしが問題をさばく側に立たねばならん。
「取りにいく問題」と「ほどほどで切る問題」を分けるのじゃ
管理会計論では、満点を狙うより、取るべき点を確実に拾う意識のほうがはるかに大事じゃ。
たとえば、CVP分析の基本計算や標準原価計算の定番論点なら、しっかり得点したい。いっぽうで、資料が煩雑で、条件整理に時間がかかる設問は、最初から深追いしすぎないほうがええ。
試験で恐ろしいのは、一問に執着して全体が崩れることじゃ。管理会計論は、解答の手順にも点差が出る。だから、途中で「これは重い」と感じたら、一度手を止める勇気を持つんじゃよ。
大切なのは、解けない設問をゼロにすることではない。
解ける設問を取りこぼさないことじゃ。
順番の感覚は、普段の演習でしか育たん
本番だけうまくやろうとしても、それはなかなか難しい。解く順番の感覚は、普段の答練や問題演習で育てておくものじゃ。
ただ漫然と解くのではなく、「この問題なら最初にどこを見るか」「どこで区切るか」を毎回意識するんじゃな。
そして復習のときは、「なぜ間違えたか」だけでなく、なぜその順番で解いて失敗したかまで見直すのじゃ。
論点理解はあるのに点が伸びない者は、意外とこの部分で損をしておる。
演習のたびに確認したいこと
1. 最初に問題全体を見たか
2. 取りやすい設問から入れたか
3. 重い設問に時間を使いすぎていないか
4. 後から見れば切るべきだった部分はどこか
会計ばあから最後に伝えたいこと
管理会計論は、理解が積み上がるほど面白くなる科目じゃ。じゃが本番では、その理解をどう配るかが問われる。
歯車というものは、一つだけ大きく回っても機械は動かん。小さな歯車が順にかみ合って、初めて全体が回るんじゃ。
それと同じで、試験でも一問だけ完璧でも足りん。取りやすい設問、途中点が狙える設問、切るべき設問。それらを順にかみ合わせて、全体として合格点に届かせるんじゃよ。
今日のまとめ
管理会計論は、全部を完璧に解こうとすると崩れやすい。
問題全体を見て、取りにいく設問と深入りしない設問を分けること。
本番で点を作るのは、知識だけではなく、順番の設計力なんじゃ。
孫よ、焦るでない。難しい問題が出ても、それで試験全部が終わるわけではない。
一つの設問に心を持っていかれず、次の設問へ静かに移ることもまた実力じゃ。
管理会計論では、頭の良さより、歯車を整えて回す落ち着きが勝つことも多い。そこを忘れずにな。