管理会計7

会計ばあの寺子屋会計士試験 管理会計論

会計士試験を勉強してる孫へ
【管理会計論】のアドバイスシリーズ7
「標準原価計算」は暗記で乗り切るな、ズレを見る目を持ちなさい

ずれた理由を考えられる者が、管理会計論で一段強くなるのじゃよ

歯車のように噛み合う話

孫よ、管理会計論の中でも、標準原価計算や原価差異分析が出てくると、急に手が止まる者が多いのう。
計算式は覚えたはずなのに、本試験になると頭の中が散らかって、「これは材料価格差異じゃったか、数量差異じゃったか」と迷ってしまう。

じゃがの、それは才能の問題ではない。多くの場合、数字のズレを“意味”で捉えず、名前だけで覚えようとしておるからなんじゃ。

会計ばあは、標準原価計算というのは、ただの計算分野ではなく、会社の中で起きた「予定と実際の食い違い」を見つける道具だと思っておる。
管理会計論は、会社の改善のための学問じゃからな。
予定通りに進まなかったところを見つけて、何が原因かを考える。
その考え方が根っこに入っておれば、差異分析は急にただの丸暗記ではなくなるんじゃよ。

標準原価計算は「予定」と「実際」を比べるためにある

まず大前提として、標準原価計算は「あるべき原価」を先に置くところから始まる。
材料は本来これだけ使うはず、人件費は本来これくらいかかるはず、操業度はこれくらいを見込んでおるはず。
そうやって会社が目安を決めておくからこそ、実際と比べたときに「どこでズレたのか」が見えるんじゃ。

会計ばあの整理箱

標準原価計算で見ているものは、単なる計算結果ではない。
「予定より高く買ったのか」
「予定より多く使ったのか」
「予定より効率が悪かったのか」
そういう現場の動きを、数字で言い直しておるんじゃよ。

ここを分からずに、「価格差異はこう、数量差異はこう」と名称だけを覚えると、少し問題の聞き方を変えられただけで崩れてしまう。
逆に、材料の差異なら「買った値段がずれたのか」「使った量がずれたのか」、労務費の差異なら「賃率がずれたのか」「作業時間がずれたのか」と考えられれば、問い方が変わっても十分に対応できるんじゃ。

差異分析が苦手な受験生に多い三つのつまずき

  1. 式だけ見て、何の差を見ているか言えない
  2. 有利差異・不利差異の向きを感覚で処理している
  3. 問題ごとの流れを追わず、断片で覚えている

一つ目は、いちばん多い。
たとえば「実際価格−標準価格」に数量を掛ける式を見て、それが材料価格差異だと答えられても、「何を比べた結果なのか」を言えない者がおる。
それでは本当に理解したとは言いにくいのう。

二つ目の、有利差異・不利差異も危ないところじゃ。
ここは丸暗記に頼る者が多いが、材料を高く買えば不利、安く買えれば有利、予定より多く使えば不利、少なく済めば有利。
こうして現場の景色に置き換えて考えれば、本来はそこまで難しい話ではない。

三つ目は、学習の進め方の問題じゃな。
標準原価計算、直接原価計算、CVP分析、予算管理。
これらを全部別々の島として覚えてしまうと、管理会計論の地図がなかなかつながらん。
じゃが実際には、どれも「意思決定のために数字を使う」という一本の道でつながっておる。

本試験で崩れないための勉強法

孫よ、ここからが大事じゃ。
標準原価計算を得点源にしたいなら、解答解説を読むときに、必ず自分の言葉で次の三つを言えるようにしなさい。

復習の三点確認

1.何と何を比べている差異なのか
2.その差異は現場で何が起きたことを意味するのか
3.有利か不利かは、なぜその向きになるのか

これを毎回やるだけで、数字がただの記号ではなくなる。
管理会計論で強い者は、計算が速いだけではない。
式の奥にある会社の動きを想像できる者なんじゃよ。

たとえば、材料数量差異が大きく不利になっておるなら、現場で無駄が出たのかもしれん。
歩留まりが悪かったのか、作業が不慣れだったのか、あるいは材料の質に問題があったのか。
そこまで発想できると、理論問題にも対応しやすくなる。
管理会計論は、計算と理論が別々に見えて、実はかなり深くつながっておるからのう。

会計ばあから、今日の締めくくり

標準原価計算で点が安定せんとき、受験生はつい「もっと式を覚えなければ」と思いがちじゃ。
じゃが、そこで覚える量ばかり増やしても、土台があやふやなままでは苦しくなるだけじゃよ。

今日のまとめ

標準原価計算とは、予定と実際のズレを見る学びじゃ。
差異分析とは、名前当てではなく、何が原因でズレたのかを数字から読み取る作業なんじゃ。
そこを押さえれば、管理会計論はぐっと生きた科目になる。

孫よ、歯車は一つひとつをバラバラに眺めておるだけでは動かん。
どの歯がどこに噛み合って、どう回るかが見えてはじめて、仕組みとして分かるのじゃ。
管理会計論も同じこと。
差異の名前を覚えるだけでなく、そのズレが会社のどこで生まれたのかを考えること。
そこまで見えるようになったとき、おぬしの答案は一段と強くなるはずじゃよ。