会計士試験を勉強してる孫へ
企業法は「条文の森」で迷うなよ、という話
企業法アドバイスシリーズ8 〜鳥のように、全体を見渡してから降りていくのじゃ〜
孫よ、企業法を勉強しておると、条文、制度趣旨、機関設計、募集株式、組織再編と、あれこれ枝が分かれておって、
「結局どこをどう覚えればええんじゃ」と途方に暮れる日もあるじゃろう。
じゃがのう、企業法という科目は、細かい知識を地面から這うように拾い集めるだけでは苦しくなる。
まずは鳥のように上から全体を見ることが大切なんじゃよ。
財務会計論のように数字の整合性で押し切る科目でもなければ、管理会計論のように計算の流れを身体で覚える科目でもない。
企業法は、「この制度は何を守るためにあるのか」を理解しておらんと、知識がただの暗記の山になって崩れてしまう。
たとえば取締役会設置会社の論点を学ぶときも、「この機関は何のために置かれておるのか」「誰を監督し、何を決めるのか」という
骨組みが見えておれば、個別のルールがずっと頭に入りやすくなる。
逆に、その骨組みが曖昧なまま細かな要件だけを追いかけると、似た条文同士がごちゃついて、すぐに迷子になるんじゃ。
企業法で伸びる子は、条文を「目的」から見ておる
会計ばあが思うに、企業法が伸びる受験生には共通点がある。
それは、条文をただの文章として読まず、「なぜこういう決まりになっておるのか」を考えながら読んでおることじゃ。
会計ばあの見方
企業法のルールは、会社を自由に動かすためだけにあるのではない。
株主、債権者、取締役、会社そのもの、その利害のぶつかり合いを整えるために置かれておる。
じゃから、「誰を守るルールか」を意識すると、条文の並びが急に生きたものになるんじゃ。
たとえば、株主総会の決議要件を覚えるときも、「重要なことほど重い決議が必要になる」という流れが分かっておれば、
単なる丸暗記ではなく、制度として納得しながら積み上げられる。
この「納得」がある受験生は強い。忘れにくいし、応用にも耐えるからのう。
細かい知識に降りる前に、空から地図を見るのじゃ
孫よ、企業法では、最初から枝葉の論点ばかり追いかけてはいかん。
まずは大きな地図を見ることじゃ。
最初に押さえるべき地図
1. 会社の意思決定は誰がするのか
2. 業務執行は誰が担うのか
3. それを誰が監督するのか
4. 外部の利害関係者はどう守られるのか
この四つの問いを持ちながら学ぶと、取締役、監査役、会計参与、会計監査人、委員会設置の話も、
ただの断片ではなく一つの設計図として見えてくる。
鳥が空から地形を見てから枝に降りるように、まず全体、それから細部じゃ。
そして過去問を解くときも、「この設問は何を聞いているのか」を制度趣旨に戻して考えてみること。
企業法は、言い回しに慣れることも大事じゃが、それだけでは足りん。
問われ方が少し変わっても動じないためには、根っこの理解がいるんじゃよ。
企業法の復習は、「声に出して説明できるか」で決まる
企業法の勉強でおすすめなのは、解いたあとに「なぜこの結論になるのか」を自分の言葉で説明してみることじゃ。
テキストの文をそのままなぞるのではなく、孫自身のことばで言えるかどうかを見るんじゃ。
- このルールは誰を守るためのものか
- なぜこの機関が必要なのか
- なぜこの場合は株主総会決議が重くなるのか
- 似た制度と何が違うのか
ここまで言えるようになると、短答でも論文でも崩れにくい。
知識が線ではなく面になるからじゃ。
反対に、条文番号やキーワードだけを追っておると、風が吹いたように記憶が飛んでいってしまう。
会計ばあから孫への助言
企業法は、細かい知識を急いで拾うよりも、まず制度の空を飛ぶこと。
全体を見て、「誰のための、何のためのルールか」をつかめば、条文の森は急に歩きやすくなるんじゃよ。
企業法は、最初のうちは手応えが出にくいかもしれん。
じゃが、制度の目的と全体構造が見えてくると、一気に世界がつながる科目でもある。
ただ覚えるのではない。会社という仕組みを理解しにいくのじゃ。
孫よ、鳥が高く飛ぶのは、遠くへ行くためだけではない。
迷わぬためでもある。
企業法も同じじゃ。細部に入る前に、まず高いところから全体を見よ。
それが、最後まで崩れん勉強になるんじゃよ。