会計士試験を勉強してる孫へ
【財務会計論】のアドバイスシリーズ10
今日は「総合問題で崩れないために、論点を枝ではなく幹で覚える」という話じゃよ
孫よ、財務会計論を勉強しておると、最初は個別論点がそれぞれ別の山のように見えるじゃろう。
収益認識、金融商品、固定資産、税効果、純資産、連結、キャッシュ・フロー計算書。
どれも大事で、どれも細かくて、気づけば頭の中が枝だらけになる。
じゃがのう、本当に強い受験生は、枝を追い回すのではなく、その枝がどの幹から伸びておるのかを見失わんのじゃ。
財務会計論、とくに計算は、論点ごとに解けるだけでは本番で安定せんことがある。
なぜなら、本試験の総合問題というものは、「この論点を知っておるか」だけではなく、
「複数の論点が一つの財務諸表の中でどうつながるか」を見てくるからじゃ。
たとえば、減価償却だけを単体で問われればできる。
税効果だけなら解ける。
連結修正仕訳も、個別なら何とかなる。
それでも総合問題になると急に手が止まる者は多い。
それは能力が足りんのではない。
論点を部品として覚えていて、財務諸表全体の流れとして結べておらんからじゃよ。
財務会計論の「幹」とは何か
会計ばあが考える幹は、そう難しいものではない。
財務会計論の幹とは、つまるところ次の三つじゃ。
会計ばあの三本桜
- 何を資産・負債として認識するのか
- それをいつ、いくらで測定するのか
- その結果が損益や純資産にどう流れるのか
収益認識でも、固定資産でも、引当金でも、金融商品でも、
結局はこの三つを問うておることが多い。
まず認識の問題がある。
次に測定の問題がある。
そして最後に表示や損益帰属の問題がある。
ここを意識して勉強すると、論点がばらけにくくなる。
「これは減損の論点」では終わらん。
「これは資産の帳簿価額を見直し、その結果が当期損益にどう影響するかを見る論点じゃな」と、
一段高いところから見られるようになるんじゃ。
総合問題で崩れる人は、どこでつまずくのか
総合問題で崩れる原因は、大きく分けると三つある。
- 個々の仕訳は知っているが、財務諸表への着地が曖昧
- 前期・当期・翌期の時間の流れを意識していない
- 資料のどこが論点の入口なのか見抜けない
とくに二つ目は大きいのう。
財務会計論は、その年だけで完結しておらんことが多い。
前期末残高があって、当期処理があり、翌期に繰り越される。
税効果も、引当金も、繰延資産でもないが繰延の考えを含むものも、
だいたい時間の流れを持っておる。
ひとつの仕訳だけ見て「分かった」と思うなかれ。
会計ばあが見てほしいのは、前から来て、今を通って、次へ流れる道なんじゃ。
財務会計論は、静止画よりも、むしろ連続した景色として理解したほうが強いのじゃよ。
孫にすすめる復習法は「一問一表」じゃ
ここで、シリーズ10の実践的な助言をひとつ渡しておこうかのう。
それは「一問一表」じゃ。
問題を解いたら、仕訳だけで終わらせず、その論点が最終的にどの財務諸表のどこへ入るかを、必ず小さく書き添えるんじゃ。
たとえば、
「減損損失ならP/Lの特別損失か、今の基準の表示区分に応じた費用項目へ」
「評価差額なら純資産直入か当期損益か」
「連結修正なら非支配株主持分や利益剰余金にどう効くか」。
こうして着地点を明確にするんじゃよ。
この癖をつけると、資料を見た瞬間に「これはどこへ落ちる話か」が分かりやすくなる。
すると、本番の焦りが減る。
総合問題は、全てを完璧に知っている者より、流れを見失わない者が最後に点を拾うものじゃ。
本番で意識する順番も決めておきなさい
財務会計論は、頭の良し悪しより、順番の技術が点数を守ることも多い。
会計ばあなら、総合問題ではこう考える。
本番の順番
1 まず資料全体を見て、主要論点を拾う
2 次に、前期からの流れがある論点を先に押さえる
3 そのあと、単発で点の取りやすい論点を処理する
4 最後に表示と整合性を確認する
これを決めておくと、見たことのないひねり方をされても、
心まで持っていかれにくい。
財務会計論は、問題に威圧されて崩れるのが一番もったいない。
どんな問題でも、認識、測定、損益・純資産への流れ、この幹に戻ればよいんじゃ。
会計ばあから最後に一言
春になると桜は一気に咲くように見えるが、実際にはその前から、見えぬところでじっと準備をしておる。
財務会計論も同じじゃよ。
ある日突然、総合問題が得意になるのではない。
毎日の復習で、論点の枝を幹につなぎ直しておるうちに、気づけば崩れにくい力になっておるんじゃ。
今日のまとめ
財務会計論は、個別論点の暗記競争ではない。
認識、測定、損益・純資産への流れという幹で理解し、総合問題では着地点まで見届けること。
それが、シリーズ10で会計ばあが孫に渡したい一番大事な心得じゃよ。
焦らずいきなさい。
枝だけ見ておると森で迷うが、幹を見ておれば帰る道は分かる。
孫よ、財務会計論は細かい科目ではあるが、同時に筋の通った科目でもある。
その筋をつかめば、数字は少しずつ味方になるんじゃ。